花組公演「金色の砂漠」

‪金色の砂漠。 
‪とんでもないんだろうとは薄々察してたんですけど、本当にとんでもなかった。‬
‪この演目で宝塚を去るかのちゃん、めちゃくちゃかっこいい。ファンの贔屓目でもなんでもいい、とにかく本当にかっこよくて気高くて魅力的なトップ娘役。‬


‪以下、ネタバレに全く考慮してない、みりかの大好きかのちゃん贔屓ファンによる、120%みりかのに偏った感想です(本当に2人にしか触れてない)‬
‪長いしきちんとした文章じゃないよ!!!本当にただの感想で長いよ!!!自己満足でしかないよ!!!‬
‪みりかのフォーエバー!!!!!‬

 

 

 

 


‪正直な話、観劇してすごい疲れた。‬
‪もうめちゃくちゃ疲れた。‬

 

‪唐突ですが自分語りします。‬
‪私って普段観劇中もあれこれ考えて、「衣装かわいいなー」とか「演出すごいなー」とか「恋敵って2番手の宿命よなー当て馬とはいえ可哀想だこの役ー」とか、常に心の中であれこれ考えてるんです。‬
‪観劇中も自分という意識がはっきりしているというか、自分を忘れることが無いというか、いい表現が思い浮かばないんですが(語彙力)‬
‪舞台上で繰り広げられてる物語に入り込まずに一歩引いて、外から傍観(観劇)してるっていう表現が思いついた中では一番近い、かもしれない。‬
‪特に意識してやってる訳ではなく、これが私の普通だったんです。‬
‪でも金色の砂漠は途中から、自分という存在を忘れてただ物語に見入ってた。感情移入とも違って、金色の砂漠の世界に没入してた。‬

‪いやぁ、我ながらポエミー……なんてとぼけ無いと恥ずかしいこと書いてるとは思うんですけど、でも本当に初めての体験だったんですポエミー!!!(耐えられない)‬


‪ギィ。みりおくん。‬
‪ギィという役で、明日海りおの真骨頂を見た、気がする。‬
‪新規にわかが何言ってるんだよー!って突っ込まれると思うし自分でも思うけど、あのギィって役を宝塚のトップ男役にやらせようと思わせた明日海りおという存在がすごい。‬
‪めちゃくちゃ屈折してるし、ぶっちゃけ感情移入全くできない役じゃない???‬
‪いや、感情移入は人によって様々ですけど、私はとにかく可哀想やらかっこいいやら思う前に(思ったけど)序盤とかただただ「いやお前……それは……どうよ……」みたいなテンションだったよ。‬
‪激しい憎悪と愛情がごちゃ混ぜになって、ただただタルハーミネを手に入れたいっていうドロドロの欲望が、ギィの表情や叫び声からビリビリ伝わってもう……。‬
‪もうみりおくんなんて呼べない。呼ぶけど。‬
‪っていうか、やっぱりただの奴隷じゃなかったね!?!?ビジュアル出た時から「いや奴隷って顔じゃないでしょ……高貴さが溢れ出てる……」とか思ってたけど、案の定王族の血を引いてたよーーー!!!‬
‪でもみりおくんの顔面でただの奴隷と言う方が納得できない。うえくみ先生正しい。私だったらどんな役でも(実は高貴な血を引いてる)って裏設定つけちゃう。どれだけ強引な設定でもみりおくんの顔面見たらみんな納得するでしょ。私はする。‬
‪それにしても序盤の告白シーン、タルハーミネは冷たく突き放したのに「あなたのそんな声が好きだ」、激情したタルハーミネに「そうやって睨んだところも好きだ」ってすごいよね。その告白の仕方ちょっと変態的じゃない……???その言い方じゃ叶う恋も叶わなくならない……???‬
‪相手を優しく想う愛ではないけど、屈折してドロドロの愛だけど、でも間違いなく作中で一番強くて粘着質な(言い方)愛を抱えてた人物でした。‬
‪ギィの発する「タルハーミネ」の温度と湿度の高さよ。あらゆる感情が内包されていたその一声で、どれだけ彼女に心を傾けてたか分かるっていうか……。‬
‪いやー、みりおくんすごい。歌声に聞き惚れるというより、今回はぞくぞくした。復讐こそ我が恋と明日海りおに歌わせたうえくみ先生あっぱれ。最高。‬

 

‪タルハーミネ。かのちゃん。‬
‪タルハーミネって役をトップ娘役に普通振る???それもこの公演で退団が決まってる娘役に。‬
‪とんでもなく美しい、誇り高き王女様。でも結構不安定なところもあって(すぐ激情して声張り上げるし)、王女という自覚と誇りとプライドで、がちがちに自分を固めあげてるような印象を受けた。正直可愛げはそんなない。あと、男役がやりそうな女役だな、って思った、強気すぎて。‬
‪最後の最後まで王女と奴隷、って関係を崩そうとはしなかったタルハーミネ。最後で「お前を愛しているわ!」って言ったけどその直後「お前なんかを愛するなんて……!」って言ってたからね。‬
‪まぁ生まれた環境が作り上げた性格と関係性だし、ギィを奴隷として最後まで扱おうとしたのは彼女の当たり前だったんだろうなぁ。‬
‪かのちゃんの、娘役らしからぬギィへの呼びかけの声が最高だった。温もり0。あんな声を相手役に向ける娘役とは……。‬
‪ギィとの初夜(言い方)のタルハーミネも最高だった。どんどん壁が崩れ去ってく感じというか、ギィに強引に……こう……。ってかこのシーンえろすぎ(言葉が選べない)‬
‪婚礼の衣服に着替える場面とか息を潜めてしまった。あの、舞台の裏でギィがタルハーミネの服着つけてるんでしょ?それからのあの迫りでしょ?え……やばい……(語彙力)‬
‪でもやっぱり、想いが通じても「奴隷の妻となる」で、「あなたの妻となる」じゃない。愛し合ってるのに、その人のために全てを捨てる覚悟もできてるのに、王女と奴隷という立場は捨ててない。‬
‪奴隷じゃないギィを知らないし、王女じゃない自分も知らないんだから、恋人同士として態度を変えるって出来なそうだよなぁ、とか思いつつ。‬
‪駆け落ちしようとして捕まった後、あそこでギィとの愛に心中したら王家に捧ぐ歌コースじゃん……って思ったんだけど、そんな単純明快で綺麗な愛ではなかったぜ、って感じで。‬
‪とにかくかのちゃんの王女力がすごい。ビジュアルから声から王女力MAX。‬
‪気高くて強い王女だけど、一度崩れたら脆そうな感じもして、すごい危ういバランスの上に立ってる役だと思った。‬
‪ファンだから言わせて。贔屓目入ってるし、盲目的で脳内お花畑なファンだと自覚してるから言わせて。‬
かのちゃんじゃなきゃタルハーミネは出来ないよ〜〜〜!!!金色の砂漠はみりかのだからできた演目だよ〜〜〜!!!
‪はースッキリ。‬

 

 

‪以下、気になったシーンごとに語ってます。‬

 


‪幼少期のギィとタルハーミネ可愛すぎか〜〜〜!?!?‬
‪みりかのの幼少期演技すごかった……みりおくん完璧少年だった。幼いんだけど、女の子っぽさが全く漏れ出てなかった。‬
‪算術の先生にやり返して2人で顔見合わせて笑ってたのを見るに、幼少期は成長後よりは多少素直な関係を築けてたのかな。‬
‪幼少期ギィの抱きしめとキス、すごい、めちゃくちゃキュンとした〜〜〜直後に「許さないから!!!」だけど。これぞギィとタルハーミネ。‬
‪でも最後のシーンでは、タルハーミネは「私を砂漠から連れ帰ってくれたわ」って柔らかめの声で言ってたから、このときは確かにギィに恩義と愛(恋?)を感じてたんじゃないかと思った。

 

ギィのちょっとアレな告白シーン。‬‪ ルサンクで台本読み直して改めて思ったけど、タルハーミネ→ギィの方が結構分かりやすい独占欲というか、お前は私のものだから!離れることは許さない!っていう幼い駄々っ子みたいな感情なのかな。それに対してギィは「そうやって睨んだところも好きだ」ってひん曲がった告白を披露するわけだけど。‬‬
‪ひん曲がったとか変態的な告白とか言ったけど、ここの告白シーンめちゃくちゃ好きです。‬
‪「あなたのそんな声が好きだ」「そうやって睨んだところも好きだ」って言い寄るギィの声、サイコー。みりおくんの演技サイコー。‬
‪あんな風に言われたらそりゃタルハーミネ様も動揺しちゃうよね。‬
‪感情に揺れてるタルハーミネがギィは好きだったというか、自分のことを砂とも地面とも思ってないタルハーミネが好きだったんだろうね。そんなの当たり前だけど。‬
‪自分に怒ってる、ってことはイコール、人間として認識している、ってことで、砂や土にタルハーミネが怒るわけはない。だからタルハーミネになじられるより、砂や地面として無感情に扱われることの方がよっぽど辛かったのかなぁ、と。‬
‪うまくまとまらないけど、自分に怒りを募らせるタルハーミネを見て、ギィは喜び感じてそうだよねって話です。‬

 

‪もうすでに語ってるけどまた語る。ギィとタルハーミネの初夜シーン。やばいでしょ。‬
‪婚礼衣装に着替えるシーン、わずか数秒だけど舞台上から誰もいなくなって、音声も無音になったじゃないですか。多分あのとき息止めてた。多分じゃなくて間違いなく止めてた。‬
‪それで着替え終わった後、やりとりがあってギィの「貴方は優しく綺麗に震えているんだ」って台詞がすごい印象的。優しく綺麗に震えている。そんな風にギィにはタルハーミネが見えてたのかな、ずっと。‬
‪そして怒涛のギィの攻めですよ。いっやーーーえろい!!!(考えを放棄した)‬
‪「叫べばいい、愛していないというのなら」ずるい。この台詞ずるい。ずるいーーー!!!こんなん絶対叫べないじゃん!?!?‬
‪そして暗転、からの飛び出てくるタルハーミネ。‬
‪当たり前っちゃあ当たり前なんだろうけど、このシーンからギィが「タルハーミネ……」って名前呼び捨てにしたのには思わず喉詰まらせた。‬
‪お、お前……もうすっかり自分のものにしたって態度だな……っていう。正直に言えば大変キュンキュンしました♡‬
‪「俺が護る」「(金の砂漠も)見せてやる」って後ろから抱きしめながらイケメンな声で囁くし。ギィとタルハーミネが王道?なラブシーンしてたのここの数分ぐらいだったよね。‬


‪この後ダークサイドに落ちた(元から落ちてたようなもんだけど)盗賊ギィ、ではなくイスファンディヤールはひたすら国とタルハーミネへの愛憎を深めていったんだろうな……離れてる時間は愛を深めるって言うもんね……。‬
‪「復讐こそ我が恋」って主役に歌わせる歌詞かよ。愛憎の極み。愛=憎しみ。必ず復讐する=必ずお前を愛する……???‬
‪イスファンディヤールの復讐はタルハーミネを抜きにしては成立しないし、イスファンディヤールの恋もタルハーミネを抜きにしては成立しないんだ……うぅ……。‬

 

‪イスファンディヤールが王位を奪った後、真紅の王族衣装でタルハーミネと対面するシーン。このシーンすごく好き。まず衣装がめちゃくちゃ好き。そして振り付けがとんでもなく好き。‬
‪かのちゃんがこのシーンのデュエットダンスを「内臓がくっついちゃいそう」って表現してたけど、そう表現したくなる気持ちがめちゃくちゃ分かった。‬
‪うまく説明できないけど、タルハーミネが地面に手をついてるところに、イスファンディヤールが腕を差し入れて身体密着させてぐっぐっ、って体を上下に体を動かす振り。‬
‪あの振りがっまーーーー好きです。見た瞬間「ひぇっ」って声あげそうになったぐらい好きです。GIFアニメにして延々と繰り返し何時間でも見ていられそうなぐらい好きです。‬
‪逃げて、追っかけて、近づいて、離れて。でも抱きしめるときは情熱的で。ウッ、ウゥーーーーッ!!!!素直に恋物語してろやお前らーーーー!!!!ちくしょーーーー!!!!!‬

 

 ‪最後の金色の砂漠のシーン。‬
‪ 結局さ、あれだけひん曲がってるとか言ったけど、イスファンディヤールはタルハーミネを追いかけて砂漠を数日彷徨えるぐらいには、純粋に?普通に?愛してたんだろうなぁ……。‬
‪なんかもう最後のシーンは一足先に見てるこっちが燃え尽きちゃって、感想らしい感想が出てこない。‬
‪タルハーミネは幼少期からずっとギィと金色の砂漠を見たいと願っていたんだろうなって……ウゥッ;;;観劇時は泣かなかったのに、この文章打ってる最中に涙出てきた。‬
‪あそこで2人、力尽きるのが一番幸せだったのかなぁ。幸せかはともかく、一番美しい終わりだったとは思う。‬

 

‪あと印象的だったのが、ビルマーヤとジャーの恋。‬
‪2人は過去確かに愛し合っていたけど、今はもう家族のような労りに変わってしまった……ってめちゃくちゃ現実的じゃない?宝塚み0。‬
‪でもすごい納得する恋の終わりだった。ゴラーズさんいい旦那さんだったんだろうってことは想像できるし。‬
‪最初はギィとタルハーミネの恋が、宝塚らしからぬドロドロ愛憎劇って思ってたけど、2人の恋はこれ以上ないくらい宝塚らしい、永遠に熱の冷めない恋で愛だったんだなぁ、と。‬
‪兄のような恋が羨ましいな、っていうジャーの台詞がまた……。‬

 

 

‪デュエットダンス。ルサンクの台本によるとギィとタルハーミネのデュエットだそうで。‬
‪幼少期の2人っぽさも感じつつ(振りがめちゃくちゃ可愛い)、2人が抱えてた様々な柵を全部捨てられた世界線の2人、捕まらず駆け落ちできていたifルートの2人、天国にいる2人……まぁ一番最後が無難かなと思うんですが、いろいろ想像が膨らむデュエットダンスでした。‬
‪とにかく美しい。美しさの極み。みりかののビジュアル満点。衣装もまた可愛いし美しい。振りの純粋にきゃっきゃうふふしてる様子がまた涙腺を緩ませる。‬
‪デュエットダンス中も余韻引きずりまくってて「ほわー……」って半ば放心状態だったんですが、最後、階段を上ってくシーンで急にボロボロ泣いた。‬
‪ギィとタルハーミネ。みりおくんとかのちゃん。階段を上っていくシルエットに両方を重ねちゃってもう泣いた泣いた。‬
‪みりおくんがちょっと先行って、かのちゃんがちょっと先行って、最後には腰を抱き頭を抱きしめ寄り添って上ってく……こんなの泣くわーーー泣くに決まってるわーーー。‬
‪劇中は一回も泣かなかったし、デュエットダンスでも途中なんとか堪えたのに、最後の最後で……いやでもあれは無理だ。‬
‪足並み揃えて2人で登っていくんじゃない。先に行って、でも相手を待って、目指す場所は同じで。最後はやさしく寄り添って、その場所に向かう。‬
‪ギィとタルハーミネとしても、みりかのというトップコンビとしても、本当に素敵なデュエットダンスだった。‬
‪最後の階段の上の2人のシルエットが、ずーっと脳裏に焼き付いてる。‬

 

 

‪長くなったから最後の方力尽きてるけど、本当に充実した公演でした。今回触れてないけど雪華抄も名作レビューだった。曲がどれも最高。正直和物レビューなめてましたすみません。‬
‪贔屓であるかのちゃんの退団公演ということで、観劇前は色々と複雑な気持ちがあったけど、観劇後はただただ「すごく充実した演目だった……」って満足感でいっぱいだった。‬
‪普段からみりかのみりかのうるさい私が言っても説得力ないんだけど、金色の砂漠はみりかのをあんまり意識しなかったっていうか、中の人(演者)としてではなく、役としてずっとその人物を見てた。‬
‪いや、みりかの萌え大量にあって、買った写真やらパンフやら見ながら「みりかの〜♡」って今はなってるんだけど、観劇中はみりかのとか、これがかのちゃんの退団公演だって意識が全くなかった。‬
‪それだけ物語の世界に没入できた作品で、とんでもない作品でした。名作。最高。みりかの万歳。花組万歳。うえくみ先生本当にありがとう。‬


‪そしてかのちゃん。‬
‪正直金色の砂漠見て「みりかのの舞台もっと見たかった……」って思いが強まったけど、この演目で宝塚を去っていくかのちゃん、最高にかっこよくない!?かっこいいよ。‬
‪タルハーミネという役に出会えるのを待っていたのかもしれない、ってかのちゃん自身がサヨナラ番組で語ってたけど、花乃まりあという1人のタカラジェンヌの魅力と他の娘役にはない個性が存分に発揮されていたお役だったと思います。‬
‪かのちゃんじゃなきゃ、みりかのじゃなきゃ作られなかった演目じゃないかな、と。贔屓目は存分に発揮していくんで。‬
‪最後に金色の砂漠というとんでもない演目をみりかので見られて幸せです。本当に本当に本当に、みりかのの作る舞台が大好きです。‬
‪みりかのフォーエバーーーーー!!!!!‬

 

‪そして観劇後に歌劇を読んでボロッボロ泣いたのであった〜完〜‬